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レポート2023.04.15笑いあり涙あり、家族・友人たちの愛にあふれた『沖縄カミングアウト物語~かつきママのハグ×2珍道中!~』舞台挨拶
4月15日(土)、「島ぜんぶでお~きな祭 第15回沖縄国際映画祭」期間中に、那覇市の桜坂劇場ホールBで『沖縄カミングアウト物語~かつきママのハグ×2珍道中!~』の上映と舞台挨拶が開催されました。
この作品は、新宿二丁目ゲイバー「九州男」の店主、かつきママの過去に迫るカミングアウト・ドキュメンタリー。ふるさとの沖縄県那覇市を巡りながら、ゲイであるかつきママが現在の幸せに至るまでの苦悩やカミングアウトした当時を振り返り、家族・友人と、今だから言える気持ちを語り合う姿を描きます。
上映終了後の舞台挨拶には、主演の“かつきママ”こと川田美輝、松岡弘明監督が登壇しました。
まず、川田が「本日は沖縄国際映画祭ということで、新宿二丁目からふるさと・沖縄に帰ってくることができ大変うれしく思います」と挨拶。
今作がドキュメンタリー映画初監督という松岡監督は、製作の背景について「僕自身がLGBTQ+の当事者のゲイで、母親にカミングアウトできず、母をガンで亡くしてしまうという経験があり、後悔していた時にかつきさんと出会ってカミングアウトストーリーを聞かせていただいた。自分にもそういう可能性があったかもしれない…と救われるような思いがあり、彼のエピソードを一つの希望の形として、映像で残せられたらと思った」と明かしてくれました。
カミングアウト前と視野が変わった
MCから「“かつきママ”とお呼びしていいですか?」の問いに気さくに快諾してくれた川田は、カミングアウトする前、沖縄にいるのがつらいと話す劇中のシーンがあったことから今の沖縄の印象を聞かれると、「やっぱりカミングアウトする前とした後は視野が違う。今はとても居やすい。変わったのは僕の中の気持ちで、沖縄は何も変わっていない。」と話し、「小さな島国で人との距離が近いというのが素晴らしいことである反面、デリケートな面に気付かずに踏み込んでしまっているところもあるんじゃないかな、僕がそれを受け入れる体制が出来ていなかった、今は受け入れる容量ができたから、どんどんズカズカ入ってきてほしい」と胸の内を明かしてくれました。
さらに川田は那覇市のパートナーシップ制度について、「第一歩だと思っています。大切な人とこの先をどう歩んでいくのか、どういう風に国からも保障されて、どういう風に共有していくのかということが僕の中ですごく大きなテーマになっている」と未来への希望をのぞかせました。
この映画をどんな方に見ていただきたいかという問いに松岡監督は、「LGBTQ+の当事者や大切な人とのこれからのつながりを考えている人、カミングアウトされる側の人が感じる孤独に対して、ひとりじゃない、みんなそんな感情をもったうえで仲良くなることもあると、いろんな人に伝えたい」とコメント。川田は「僕は同級生とか知り合いの人にいっぱい見てもらいたい」と、客席にいる友人についても話し、「昔の友達ととにかく会って話がしたい、こういう映画を通してまた連絡が取りあえるようになれば」と述べました。
フォトセッションの際には、川田と松岡監督が「観客席のみなさんとも一緒に写真を撮りたい」と提案し自撮りをするなど、終始アットホームな雰囲気で進められた舞台挨拶。最後に松岡監督から観客のみなさんへ感謝の意が述べられ、盛況のうちに終了しました。
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