島ぜんぶでおーきな祭 -第15回沖縄国際映画祭- 2023年4月15日(土)・16日(日)

上映前に、ピアニストの天宮遥の弾く音色に包まれて登場した活動写真弁士の大森くみこが、「今日この映画のことを知って来た人～？」と観客へ問いかけると、１人だけ手が上がり、客席が沸きます。大森が「観客参加型」のサイレント映画の説明をひとしきり行うと、さっそく上映が始まりました。

上映中は「なんくるないさ」、「紅芋タルト」、「ちんすこう」と、沖縄のお客さんに向けた即席セリフや沖縄の音楽が多数飛び出し、主演の辻凪子も舞台に登場するなど、活弁公演版ならではの気迫が感じられる上映でした。

上映後の舞台あいさつでは、主役兼監督の辻、大森、天宮が登壇しました。

辻は「沖縄は少ししか知り合いがいないので心配でしたが、こんなにいっぱいの方が見に来てくれて嬉しい」と満面の笑み。続いて、活弁の映画を制作するきっかけについて、「約６年前、私が大学で映画を学んでいた時、（映画の内容に合わせた）生演奏と大森さんの生の語りの活弁を見てすごく面白く、『特別な体験をしたなぁ』という思いがありました。そのあと活弁の新作映画の制作のお話をき、（大学時に観て印象を受けた）大森さんとのコラボだったことと、あまり誰もやっていないことだったので、挑戦したく、今回映画をつくりました」と振り返ります。

大森は「最初この映画のお話をいただいたときは、『活弁で映画をつくるなんて、気は確か？』と思いました」と観客を笑わせながらも「これをきっかけに映画を広めていきたい」と意気込み、ピアニストの天宮も「じわじわと広げていきたいです」と続きます。

辻は「今日の上映が皆さんにとって忘れられない思い出になっていたら。私たちは47都道府県での公演を目指しています。これからも皆さんに会えるよう創作活動を頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」と、舞台あいさつを締めくくりました。

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